①上海

鈴木商店の中国大陸進出は、上海から始まった

  中華人民共和国の直轄地。中国の商業、金融、工業、交通の中心地。清代のアヘン戦争後、南京条約によりイギリス、フランス、アメリカ、日本が上海租界を開いた。 

 1920年代から1930年代、上海は中国最大の都市に発展。イギリス系金融機関・香港上海銀行を中心に中国の金融の中心として繁栄した。 

 上海で最も重点的に販路を拡げたと云われた鈴木商店が上海に支店を設置する動きは明治後期に遡る。明治38(1905)年、鈴木商店・柳田富士松は、上海に出張し、支店開設の準備を進め(「柳田富士松伝」"砂糖商は我が貿易をリードする")、翌明治39(1906)年、上海支店が開設された。

 同支店の主要取扱商品は、柳田が統括する砂糖および樟脳が中心であった。第一次世界大戦時、日本の砂糖(精糖)輸出の1/4が神戸港から中国へ積み出され、香港精糖に匹敵する輸出量だった。(陳来幸「開港上海に於ける貿易構造の変化と華商 ~砂糖と海産物を中心に」)

 三井物産出身で大正12(1923)年、鈴木商店に転じた松島誠は、上海支店長を務めた。松島は、その後神戸製鋼所、東工業を経て帝国人造絹糸・常務を歴任。

 鈴木商店末期、上海に駐在し経理担当の中井義雄は、上海支店整理後、神戸製鋼所に転任した。神鋼電機社長・会長を歴任。

関連資料

  • 現在の上海
  • 英租界時代の建物が残る上海九江路風景
  • 鈴木商店上海支店広告

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