築別炭砿の排気立坑

築別炭砿の通気系統の整備・改善をはかる施設  

築別炭砿は昭和15(1940)年2月の開坑以来、年々採炭現場が深部に移行し続け、通気系統の整備・改善が長年の懸案となっていた。

会社(羽幌炭砿鉄道㈱)は五片下の採炭に備えるため、以昭和35(1960)年以降の合理化5カ年計画の一環として昭和36(1961)年8月、6,250万円余りを投じて通気用の立坑掘削工事に着工し、昭和38(1963)年2月頃完成。

当時の通気系統は左区域の「大竪入―五片―左風道斜坑」と右区域の「ズリ捲本斜坑―五片―右風道斜坑」の二系統となっていた。しかし将来は採炭区域をそれまでの区域より北部(左側)に展開する計画であったため、左区域に新たに排気立坑が必要となったものである。

排気立坑の坑口には100kWの扇風機を設置して毎分最高風量3,000立方メートルの排気を行い、それまで左六片ロング内部でおよそ0.9%あったガス濃度を0.7%程度まで減少させる計画であった。

排気立坑の場所は金子町の太陽中学から少し北東側、北清寮(鉱員用の寮施設)の築別川を挟んで向かい辺りの高台に位置していた。

その独特な姿は、訪れる人々を惹きつけずにはおかないだろう。

  • 築別炭砿の排気立坑跡(平成25年頃)
  • 築別炭砿の排気立坑跡(平成24年5月)
  • 築別炭砿の排気立坑跡(平成24年5月)

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