⑤ニップン小樽工場
官営札幌製粉場の伝統を引継ぐ
日本製粉・札幌工場となった旧・札幌製粉は生産能力が充分でなかったことや外国産原料使用の関係から、臨海地帯への工場建設が計画され、大正14(1925)年に小樽市外高島村(現・小樽市高島)に小樽工場が完成。
北海道唯一の小麦粉製造工場として稼働を続け、今日なお現役工場として操業している日本製粉小樽工場は平成27(2015)年に操業90年を迎え令和3(2021)年1月、社名変更に伴い「ニップン小樽工場」となった。
同工場で生産される小麦粉には、鈴木商店ゆかりの星印を印した札幌製粉時代のブランド「赤星」、「白星」に由来する「青星」、「北赤星」の名称が残されている。
同工場建物は、鈴木商店時代に浪華倉庫所有地を買い取って建設されたもので、その屋上には、安全祈願して設けられた屋外社殿が当時のまま残されている。石造の霊狐と灯篭が左右一対づつ安置されており、霊狐の台座には、鈴木商店小樽支店、灯篭の台座には浪華倉庫小樽支店の文字が刻まれている。