⑨台湾銀行・神戸支店(栄町通)
鈴木商店は台湾銀行と二人三脚で世界に飛躍
鈴木商店の発展を支え、車の両輪としてともに歩んだ台湾銀行は、鈴木の創業地に近い神戸・栄町通1丁目の神戸支店を窓口に鈴木との取引を開始した。
鈴木商店の事業拡大に伴い、台湾銀行からの借入れは徐々に膨らみ、鈴木商店の台湾銀行への依存が強まっていく。第一次世界大戦後の反動不況から鈴木本体のみならず関係会社の中核部門が大打撃を受けた。
資金繰りが逼迫した鈴木商店では金子直吉の連日の台湾銀行(神戸支店)詣でが行われた。大正12(1923)年、鈴木再建のため台湾銀行は元副頭取の下坂藤太郎を鈴木に送り込むも再建は進まず、同年東京支店長兼営業支配人の佐々木義彦を神戸支店長に移動させ鈴木合名会社の理事に送り込み、森本準一を神戸支店次席に、大西一三を株式会社鈴木商店の監査役に、さらに平佐幹を日本商業の監査役に派遣して鈴木の再建に本腰を入れた。