⑦有馬温泉・兆楽

関西の奥座敷・有馬温泉で鈴木再興の秘策を練る

関西の奥座敷とも呼ばれる有馬温泉は、古くは日本書紀の「舒明記」(631年頃)にも記され、豊臣秀吉も愛したと云われる、日本三古湯(有馬温泉、道後温泉、南紀白浜温泉)のひとつ。

鈴木商店焼き打ちに焦点を当てた城山三郎の小説「鼠」の中で、金子直吉が晩年毎日のように有馬温泉・銀水荘に通ったことが記されている。車に書類を積み込み、神戸の事務所から宝塚越えで有馬へ。「銀泉」とよばれるラジウム泉に浸り、軽い夕食をとった後は、真夜中になるまで書類を調べ、再び神戸へ戻るのが日課だったといわれる。時には銀水荘近くで鱒釣りに興ずることもあったといわれる。

有馬温泉「兆楽」は、銀水荘別館として45年の歴史を誇り、有馬で唯一、金泉、銀泉の二種類の温泉が楽しめる旅館という。兆楽の原点・銀水荘は、昭和2(1927)年の創業で、創業時から鈴木商店の金子直吉が頻繁に日帰りで、時には馬車で来られたとも伝えられてる。銀水荘本館の建物は老朽化したため、その隣接地に建て替えられ「銀水荘別館 兆楽」として生まれ変わった。

兆楽公式サイト

  • 銀水荘・兆楽
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  • 有馬温泉の鱒釣りに興ずる金子

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