⑨日本精化(旧・日本樟脳)

鈴木商店最初の製造事業、現在は総合ファインケミカルメーカーとして受け継ぐ

大正7(1918)年、台頭する合成樟脳との競争の必要から、国策に呼応するかたちで、樟脳精製7社と台湾産粗製樟脳海外販売を請け負う財閥商社が合併して誕生したのが、日本樟脳株式会社である。

7社のうち「日本商業」「神戸樟脳」「葺合樟脳」「大日本塩業」が鈴木商店系、「藤沢商店」「朝日樟脳」が財閥商社系で、「台湾樟脳精製」は鈴木・財閥商社の共同出資会社であった。資本金600万円、発行株式は18万株で鈴木系と財閥系で半分づつを所有したが、約8.7万株を保有する鈴木よねが筆頭株主であった。

昭和46(1971)年には社名を日本精化株式会社と改め、総合的なファインケミカルメーカーとして新たなスタートを切り、現在の事業領域は香粧品、工業用化学品、医薬品をはじめとする精密化学品の三分野となっている。尚、同社は太陽鉱工のグループ会社であり、鈴木系企業として今に至っている。神戸市内には東灘区本山南町に神戸工場がある。

  • 日本樟脳(神戸市雲井町)
  • 日本精化神戸工場(神戸市東灘区本山南町)

TOP