④レジャン川(ラジャン川;Batang Rajang)
金子直吉の見果てぬ夢を託した水力発電計画とアルミナ製造計画
インドネシアとの国境をなす山岳地帯に源を発するラジャン川は、サラワク州中央部から西流して南シナ海に注ぐ。全長563km、マレーシア最長の河川は、ゴム、胡椒などの搬出に利用される。
晩年まで鈴木商店の再興を図った金子直吉は、サラワク・レジャン川(ラジャン川)での水力発電ならびにアルミナ製造計画の構想を抱き続け、亡くなる8日前の昭和19(1944)年2月18日、日沙商会社長の近藤正太郎宛てに書かれた手紙は、レジャン川(ラジャン川)流域調査を示唆する内容だったと云う。
金子の夢を託したレジャン川(ラジャン川)の水力発電計画は、65年後の2009年、マレーシア政府によりラジャン川の支流バルイ川の堤防ダム「バクンダム」が完成、2011年東南アジア最大級のバクン水力発電所(2,400MW)として実現された。(写真はバクン水力発電所のダム)