③浪華倉庫

辰巳屋藤田商店との共同事業として始まった倉庫事業

設立   大正6(1917)年
所在地  大阪市北区堂島浜通3丁目3番地(現・北区堂島浜)

大正6(1917)年安田銀行の倉庫部「安田倉庫」を鈴木商店が買収し、改組して設立したもの。その後大阪辰巳屋藤田助七も出資し、両辰巳屋の事業として運営され、社長に藤田助七が就任した。大阪のほかに下関、横浜、小樽に3支店を開設して運営した。浪華倉庫は、倉庫部門のほかに土地部を新設して、鈴木商店が全国に保有していた土地建物の管理業務を併せて行っていた。

鈴木破綻により浪華倉庫は、関西進出を図る渋沢倉庫に買収されるが、浪華倉庫時代以来、船内荷役作業を請け負っていた専属下請け業者・金本組(明治44年、金本米吉により創業;現・金本運輸(株))は、渋沢倉庫になってからも港湾荷役業務について継続し、渋沢倉庫との緊密な関係は今日までも続いている。

なお、大正12(1923)年、大阪商船(現・商船三井)、宇治川電気(現・関西電力)、日本電力3社により「大阪ビルヂング」が設立され、浪華倉庫の敷地(旧・大阪市北区宗是町1番地)を買収し、大正14(1925)年、同本社ビル「大阪ビルヂング」を建設。昭和64(1989)年、「ダイビル」と改称。その後、大阪ビルヂング(旧ダイビル)は、平成27(2015)年に「新ダイビル」として生まれ変わった。

さらにダイビル、関西電力、関電不動産3社による「中之島三丁目共同開発計画」が発表され、平成25(2013)年、「中之島ダイビル」が完成。その本館には、旧ダイビルの部材を再利用して一部を復元している。

関連資料

  • 大坂堂島・田蓑橋南詰の浪華倉庫群(大正12年頃;大阪市パノラマ地図より)
  • 浪華倉庫の前身・大阪安田倉庫落成記念
  • 浪華倉庫跡地に建った大阪ビルヂング(大正14(1925)年9月17日;昭和64(1989)年1月1日ダイビルと改称)

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