④台湾総督府専売局・阿片樟脳工場

アジア一の規模を誇った樟脳精製工場

「台湾総督府専売局台北南門工場」は、明治32(1899)年に建設。樟脳の他、アヘンの加工製造工場で、当時アジア一の規模を誇る重要拠点だった。

南門工場には、アヘン製造工場と樟脳加工工場があり、防火のための貯水槽が設けられていた。最盛期の敷地面積は13,000坪余の広大な規模であった。

第二次大戦後、中華民国・国民政府により樟脳の専売事業を継続して来たが、1967年の樟脳事業民営化に伴い同工場は閉鎖され、1998年に内政部により古跡に指定された。

その後2006年には博物館として再利用されることが決まり修復作業が始まり、2013年11月末に国立台湾博物館の「南門園区」(台北市中正区)として生まれ変わって一般公開された。現在園区に現存する建築物は樟脳倉庫だった「紅楼」、物品倉庫だった「小白宮」と「貯水槽」のみで、敷地面積は全盛期のわずか8分の1の広さである。「紅楼」は、赤レンガに白い帯が特徴的な日本の建築家・辰野金吾の設計による建物である。

「紅楼」内には、当時のアヘン製造の模様や樟脳の精製工程のパネル展示のほか、製脳工具、工場レイアウト模型、樟脳神社「久須乃木神社」の模型と並んで、鈴木商店の紹介パネルが展示されている。 また、かつて再製樟脳を荷造りした旧荷造場の建物はレストラン「呦呦・荷造場」として利用され、台湾産の食材を使った料理が楽しめる。

 

  • 専売局阿片樟脳工場
  • 南門園区広場(樟脳博物館)
  • 鈴木商店紹介パネル

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