③台湾総督府専売局(現・公売局(台湾菸酒股份有限公司))
台湾統治の基礎を築いた専売制度
明治34(1901)年、台湾総督府所属官署として台湾総督府専売局が置かれた。阿片・食塩・樟脳・樟脳油・煙草・酒類などの専売事業を行った。専売局庁舎は、大正11(1922)年に完成し、台湾における専売事業の監督庁舎として機能した。
当初、専売局長は民政長官が兼務したが、その後の官制改正により兼務規定は削除された。
初代専売局長の後藤新平、2代祝辰己、3代中村是公は、いずれも民政長官の兼務であったが、鈴木商店の初期の台湾事業の中核となった樟脳、塩、各事業の島内、内地事業の展開に大きく関わりを持った。取り分け後藤新平の時代に樟脳油の専売権を得て樟脳事業に進出を果たした鈴木商店は、これを機に生産活動に本格的に乗り出した。
戦後、総督府専売局は、国民政府により接収された後も公売局としてアヘン 以外の専売事業を継承していたが、2002年、公売局は台湾菸酒股份有限公司(タバコ・酒)として民営化され、台湾における専売事業は正式に終了した。公売局の建物は台湾菸酒公司の本社として利用されている。