⑤旧竹田宮邸

皇族に知られた鈴木商店

明治45(1912)年、鈴木よねは竹田宮妃昌子殿下(明治天皇の6番目の皇女)と謁見する。その場所は、現・グランドプリンス高輪内にある旧竹田宮邸である。この邸宅は、明治41(1908)年に竹田宮恒久王と結婚した際に建築された建物である。

明治45(1912)年頃といえば、未だ第一次世界大戦前であるが、すでにその頃には鈴木商店は皇族にも伝わるほどの企業に成長していたということになる。当時の鈴木商店の事業は、神戸製鋼所が軌道に乗る前であり、主に樟脳、セルロイド、製糖、製粉の事業が中心となっていた。「お家さん」(玉岡かおる著)では、台湾における金子直吉の活躍が政治家を通して皇族に伝わったと描かれている。

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