鈴木商店ゆかりの企業訪問①ニチリン

東レザーの神戸・敏馬ゴム工場を発祥とする日本輪業(現・ニチリン)

鈴木商店の化学事業の出発点となる「東レザー」からビスコース人絹事業とならんでファイバー事業が実用化された。ファイバー事業の中心となったのは日沙商会で、日沙からは日本輪業(現・ニチリン)が、後に東洋ファイバー(現・北越東洋ファイバー)が生まれた。

 <レザー事業の推移>

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ニチリンの国内生産拠点・姫路工場(姫路市別所町)は、今年話題のNHK TV大河ドラマ「軍師・官兵衛」ゆかりの御着城のあった山陽本線御着駅から程遠くない位置にある。一方、創業の地は神戸・灘区岩屋の敏馬(みぬめ)神社に隣接する日沙商会敏馬工場(元東レザーゴム工場)の一角にあった。

日沙商会より分離独立した日本輪業は、敏馬ゴム工場にて操業を開始、その後大阪、姫路にも工場を建設。鈴木商店破綻後、敏馬工場に東洋ファイバーが設立され、本社を沼津に移すまで、永く主力工場として操業を続けた。

敏馬神社は、阪神電車岩屋駅に近く、古く敏馬(みぬめ)の浦と呼ばれた岬に面した神社。平安時代の延喜(えんき)式(927年)にも記載されている神戸で最も古い由緒を誇る神社で、境内には、江戸時代からの神社周辺の様子が掲示板に記されており、大正初期の日輪ゴム工場の遠景写真も残されている。

  • 日沙商会工場の一角(写真左手の工場)に建つ日本輪業(写真右手前は敏馬神社)
  • 敏馬(みぬめ)神社
  • 敏馬神社境内に残る日輪ゴム工場写真(大正初期)(煙突のある工場、写真奥には、神戸製鋼所が見える)

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