吉井幸蔵
創業期の神戸製鋼所と呉海軍工廠を結ぶ
生年 安政2(1856)年
没年 昭和2(1927)年
鹿児島県出身。海軍軍人、海軍少佐。
欧米に留学、海軍兵学校卒業。
日清戦争後、海軍少佐に昇進、戦艦武蔵副長。
明治30(1897)年、貴族院議員。
明治38(1905)年、小林製鋼所を買収した鈴木商店は、神戸製鋼所と改称し直営工場として運営。明治44(1911)年、神戸製鋼所は分離独立し、田宮嘉右衛門、依岡省輔のコンビで再スタート。依岡の得意な弁舌を活かし、呉海軍工廠に食い込む。工廠からの受注を見込んで海軍少将・黒川勇熊を社長に、監査役に貴族院議員となっていた吉井幸蔵を迎えた。これらの人脈に加え、大型鍛鋼品の需要に対応するため1,200トン大型プレスを導入したことが第一次世界大戦による造船ブームを捉え、神戸製鋼所の発展に大きく貢献した。