⑦高知市大谷(市立高知商業高校)
鈴木商店土佐派の輩出校"市立高知商業高校"
鈴木商店の黄金期を支えたと言われるいわゆる「土佐派」を多数輩出したのは高知市西部にある市立商業高校である。
同校は明治31(1898)年高知市帯屋町に開校した簡易商業学校として開校され、創立から100年を超える伝統のある県内唯一の市立の商業高校で、金子直吉はこの高知商業高校の初代校長の横山又吉と親しかった関係で鈴木商店と関連会社に学生をどしどし入れた。
南久寿象(明治38(1905)年卒、神戸製鋼所門司伸銅所支配人、大阪市店長など)、楠瀬正一(明治39(1906)年卒、帝国樟脳取締役、日本樟脳、支那樟脳、合同油脂グリセリン監査役ほか)、楓英吉(鈴木破綻時は鉄材部長、日商取締役、日本発条社長)などがいる。
鈴木の全盛期であった大正7(1918)年頃は、この高知商業高校の人気も大変なもので、高知商業高校へ入学を志願する者も多く、150人の入学予定に対し、志願者は千人を超すほどの競争率であった。