株式会社ダイセル
世界初のプラスチック・セルロイドを国産化
株式会社ダイセルは、明治41(1908)年に、鈴木商店、岩井商店、三菱の合弁で兵庫県網干に設立した日本セルロイド人造絹糸と、同年三井家出資により設立された堺セルロイドが起源となっております。その後、大正8(1919)年には、日本セルロイド人造絹糸、堺セルロイド、大阪繊維工業など合計8社が合併して、大日本セルロイドが誕生致しました。
セルロイドは1863年に開発された世界初のプラスチックです。鈴木商店は台湾のクスノキを原料とする樟脳の販売権を獲得、神戸に樟脳工場を設立しました。更にこの樟脳がセルロイドの原料となることに着目し、国産化に踏み切ります。
現在のダイセルは、液晶偏向板保護フィルムやタバコフィルターの原料となる酢酸セルロースを中心とするセルロース事業、基礎化学品としてさまざまな分野で使用される酢酸とその誘導品や、LED封止剤などの機能化学品を展開する有機合成品事業、自動車や電子材料等に使われる高機能エンジニアリングプラスチックなどの合成樹脂事業、自動車エアバッグ用ガス発生装置や防衛関連製品などの火工品事業などを主要な事業とし、スペシャリティ・ケミカルの分野で世界展開する会社となっています。これらの事業は、いずれも創業時のセルロイド生産やその品質・プロセスの改善で培った様々な技術の蓄積が基礎となっております。
平成20(2008)年ダイセルは創業90周年を迎えました。日本セルロイド人造絹糸の歴史は、「化学工業の本格的工業化時代のさきがけをなすものであり、当社及び日本のものづくりの原点」と位置づけ、創業の精神に立ち返り、革新に挑戦し続けることを誓い、網干工場内に碑を建立いたしました。