日油株式会社
金子直吉の先見性がわが国の油脂工業をけん引
日油の前身の一つである合同油脂グリセリンは、鈴木商店の魚油精製、大豆油事業がその発展の基礎となっています。未だ我が国に硬化油の技術が確立されていない頃、金子直吉は油脂加工を学んだ新入社員の技師久保田四郎に命じて硬化油の研究をさせ、日本で初めて硬化油工業を確立し、国内の需要を満たすだけでなく、海外に輸出する商品に育て上げました。
また合同油脂グリセリンには、鈴木商店の長崎英造が社長に、久保田四郎が常務取締役に就任しています。合同油脂グリセリンは、合同油脂への改称を経て日本産業傘下の3社と合併の後、第1次日本油脂として新たな歩みをスタートしました。その後異業種との合併や日産化学工業への改称、部門の分離継承による第2次日本油脂の設立を経て幅広い分野を有する総合化学メーカーに成長してまいりました。平成19(2007)年に社名を変更し、現在の日油株式会社に至っています。
現在の日油は、「バイオから宇宙まで幅広い分野で新しい価値を創造し、人と社会に貢献します」との経営理念に基づき、「ライフサイエンス」、「電子・情報」、「環境・エネルギー」の各分野において高機能で価値ある製品を提供しています。