辰巳会・会報「たつみ」シリーズ(51)「たつみ第51号」をご紹介します。

2023.5.7.

たつみ第51号表紙.png「たつみ第51号」は、平成元(1989)年8月1日に発行されました。本号の表紙を飾るのは、須磨寺の「*一絃琴(いちげんきん)」の演奏の俯瞰写真。

 源平ゆかりの須磨寺には、金子直吉が一の谷の貞照寺に寄進した羅漢石仏が同寺に移設されているが、同寺は「一絃琴」発祥の地としても知られ、「一絃琴須磨琴(いちげんきん すまごと)保存会」によって古典曲の保存伝承が行われています。(*"一絃琴"は、"板琴"とも呼ばれ、一枚の板に一本の絃を張っただけの原始的な小琴)

◇「随想 アイロニー」牧冬彦

 神戸製鋼所相談役(当時)の筆者は、最近城山三郎の「鼠」の新装版が20数年振りに出たのを機に読み返して再び感動を覚えた。

 無欲恬淡、終生完璧な無私を貫き通した金子直吉の生きざまは、今日の時代相(世相)からは想像もできない。金子ほど痛烈なアイロニー(皮肉)を感じさせる人物がいただろうか?(詳細は、下記の関連リンクをご覧ください。)

◇「"火輪の海" ~松方幸次郎とその時代・群像編(15)」平成元(1989)年5月19日付 神戸新聞社

 神戸新聞社では、創刊90周年記念事業として、同社の初代社長でもあった松方幸次郎の生涯を辿る連載「火輪の海~松方幸次郎とその時代」を掲載中。(連載は、昭和64(1989)年1月1日~平成2(1990)年3月2日)

 幕末期の"外輪式蒸気船"を表す「火輪船」の略称を表題に、川崎造船所(現・川崎重工業)の社長として神戸を代表する実業家として活躍したほか、名画コレクターとして世界に名を馳せ、激動の時代を生きたスケールの大きな男の軌跡の連載である。

 本号には、本年5月19日に掲載された"群像編(15)話"を紹介している。"たたき上げの金子"と題し、松方の盟友・金子直吉の生い立ちから土佐での丁稚時代を経て金子20歳の時、西洋人を相手に商売をしたいと夢を抱いて神戸に向かうまでを綴っている。(詳細は、関連資料をご覧ください。) 

◇「金子直吉翁叙位、叙勲への申請資料」日商岩井大阪本社秘書室

 日商岩井大阪本社秘書室よりこの程、同社書庫より大変珍しい書類が見つかったとの連絡が太陽鉱工にあった。昭和19(1944)年2月、金子直吉が亡くなる直前、日商会長(当時)・高畑誠一が金子の叙位、叙勲を申請するための書類を準備していたものと推測されると。

 金子自身は、大正4(1915)年に"大礼記念章"を、大正7(1918)年に"正六位・勲四等瑞宝章"を受章しているが、旧鈴木商店関係者は、金子の功績に相応しい褒章を願って叙位、叙勲を申請しようと準備したものと思われる。然し、実際に申請が出されたか否かは定かではない。(詳細は、下記の関連リンクをご覧ください。)

◇「辰巳会だより」(詳細は、下記の関連リンクをご覧ください。)

 〇本部新年例会:平成元年1月19日 於東明閣 参加者48名

 〇第30回全国大会:平成元年5月11日 於須磨寺 参加者61名

 〇東京支部新年例会:平成元年1月26日 於スエヒロ 参加者29名

 〇東京支部春季例会:平成元年4月20日 於鎌倉バス旅行 参加者22名

◇「辰巳会会員便り」(詳細は、関連リンクをご覧ください。) 

関連資料

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