「鈴木商店社員にまつわる話シリーズ④」を掲載しました。

2015.8.28.

4 足立宇三郎(5).jpg神戸在住の川越様より、祖父で鈴木商店ゴム部および関係会社「日沙商会」で活躍された足立宇三郎氏に関する貴重な資料のご提供をいただきました。(写真は鈴木商店入社時の記念写真)

足立宇三郎氏は、明治24(1891)年滋賀県高島郡生まれ。同志社大学経済学部第一期生として卒業後、大正6(1917)年に鈴木商店に入社。ゴム部に配属された後、日沙商会本社(兵庫県西灘村岩屋)に勤務され、鈴木商店破たんまでゴム事業のエキスパートとして活躍されました。

鈴木商店破たん後、昭和6(1931)年頃、一時神戸の女学校で英語教師を務められたとのこと。当時の状況からこの女学校は、鈴木よね所縁の「神戸女子商業(現・神戸市立神港高校)」だった可能性もあります。

足立氏は昭和7(1932)年、鈴木商店での経験を活かし尼崎に「友屋ゴム製造所」を設立。やがてこの友屋ゴム製造所は、東洋紡績がゴム製造のために設立した「内外再生護謨(東洋ゴム化工に社名変更された後、現・東洋ゴム工業)」に買収され、足立氏は定年まで東洋ゴム工業の役員を務められました。

東洋ゴム化工時代、同社は足立氏の人脈から鈴木商店系の日本輪業ゴム(現・ニチリン)他の自動車タイヤ部門を譲り受けて、自動車タイヤ製造に乗り出し、今日の東洋ゴム工業の基礎を確立しました。

足立氏は、晩年はキリスト教研究や出身地滋賀県郷土史の研究に打ち込まれたほか、辰巳会の会合にも熱心に参加されたとのこと。

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