鈴木商店のユニークな規定シリーズ⑥「東京ステーションホテル使用通達」をご紹介します。

2015.12.29.

toukyousute-syonnhoteru.PNG鈴木商店が東京ステーションホテルを事務所として使っていた期間について、ホテル側の記録は残されていないが、大正4(1915)年のホテル開業直後から昭和2(1927)年の鈴木商店破たん直前までと推測されます。(種村直樹著「東京ステーションホテル物語」より)

同ホテル20号室のスイートルームを実に10年以上に亘って定宿として借り切っていたとされます。

当時、鈴木商店では東京支店(日本橋区小網町、大正6(1917)年当時)を設けていたましたが、金子直吉は専らホテルを前線基地として政財界への活動に奔走していました。






同ホテル20号室は、重役専用室として使用されていましたが、金子滞在中には鈴木商店幹部を呼び集め情報収集や作戦会議を開くほか、政財界要人との会合にも利用されサロンのような雰囲気がありました。

大正7(1918)年4月16日に出された通達では、この重役専用室の使用に関するルールの徹底をはかる必要から出されたものと推測されます。鈴木商店の盛衰を反映し、ステーションホテルの利用頻度はますます高まり正に専用の重役室としての役割を果たしていました。

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