国立西洋美術館が世界遺産に登録される見通しとなりました。
2016.5.18.
フランス政府の呼びかけで日本、スイス、ドイツ、ベルギー、アルゼンチン、インドの7か国がフランスの建築家「ル・コルビュジェ」の建築作品を共同でユネスコ世界遺産センターに登録推薦していましたが、このほど世界遺産に一括登録される見通しとなりました。
登録されるのは、7か国、17作品ですが、日本からはコルビュジェの設計した国内唯一の建造物である「国立西洋美術館」が含まれています。
17作品の内訳は、フランス10点、スイス2点、日本始め5か国各1点が登録される予定ですが、コルビュジェの代表作といわれる「サヴォア邸」、「マルセイユのユニテ・ダビタシオン(集合住宅)」、「ロンシャンの礼拝堂」、(いずれもフランス)や「ヴァイセンホーク・ジードルングの住宅」(ドイツ)等が含まれています。
ル・コルビュジェ(本名シャルル・エデュアール・ジャンヌレ・グリ)(1887.10.6~1965.8.27)は、スイスに生まれ、フランスで活躍した建築家で、近代建築の三大巨匠(ル・コルビュジェ、フランクロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエ)の一人。日本の戦後建築に大きな影響を与えた人物です。
国立西洋美術館は、昭和34(1959)年に竣工しましたが、戦後フランスに没収されていた松方コレクションがフランス政府より寄贈返還されるに際して、同コレクションの受け入れのためにル・コルビュジェの基本設計により建設されたものです。同美術館は、昭和54(1979)年に新館が、平成9(1997)年に企画展示館が増設されましたが、いずれもル・コルビュジェの弟子の一人・前川國男により設計されています。