帝人の社史にみる「米騒動と鈴木商店焼き打ち事件」を掲載しました。
2014.5.17.
昭和43(1968)年に発行された「帝人の歩み」は全11巻から成る帝人の社史で、それぞれに副題がつけられています。 第1巻は「一粒の麦」と題する創業期の歴史が記されていますが、鈴木商店ならびに金子直吉との関わりが詳しく書かれています。この中で、「米騒動と鈴木商店の焼き打ち」については、まさに元宗家の一大事として細部に亘って記されています。
作家・城山三郎の小説「鼠」を引用し、当時のマスコミ(新聞)による連日の鈴木に対する批判、攻撃は内閣攻撃の材料に利用され、風説・流言につながったとする城山説を紹介。さらに興味深いのは、昭和33(1958)年発行の雑誌「実業之日本」のなかで、帝人・大屋晋三と河合良成(当時の小松製作所会長)の米騒動についての対談記事を載せています。
この対談で、鈴木商店焼き討ち事件当時、農商務省外米課長だった河合が、政府の外米輸入方針を促進するため、度々鈴木商店の金子直吉とも会っており、金子から朝鮮米を積極的に輸入して食糧不足を解消したいとの意向を聞いていたと述懐しています。政府が、鈴木の実情を充分認識していたことが明らかにされた内容です。
詳しくは、下記の「帝人の歩み①一粒の麦」の抜粋をご覧ください。