仏文学者・鹿島茂氏による新著「明治の革新者」に"金子直吉"が取り上げられました。
2018.7.16.
"19世紀フランス文学"研究者・鹿島茂氏の新書「明治の革新者 ~ロマン的魂と商業~」が、KKベストセラーズより出版されました。
近代国家・日本の礎を築いた実業家25人の物語で、彼らの"履歴書"を通して、「人生に必要なものは何であるか」を学ぶことができると云う。明治・大正の、功成り名を遂げた実業家の心には、「浪漫的な冒険」の精神と「情熱の夢」を持った詩人の魂があったと専門の仏文学のほか、多方面で文芸作品や評論を発信する著者が強調する。
本書は、5部構成で、第1部は「国家の力を強くする」と題し、インフラ事業分野で功績を残した偉人8人を取り上げ、第2部は「個人の生活を豊かにする」生活関連事業の8人を、第3部は「企業を強靭にする」では、企業経営の優れた先見性をもった5人 、第4部は「情報&発信を多彩にする」広告、出版等の分野の4人に脚光を当て、第5部では「昭和の名経営者の人を奮い立たせる言葉」を紹介している。
このうち、第3部は、"組織&人材育成"に功績があった「五代友厚」、"巨大商社"を育てた「金子直吉」、"再建"分野では、企業立て直しに情熱を傾けた「郷誠之助」、"町金融"の「乾新兵衛」、"コンツェルン"の「鮎川義介」を取り上げている。
金子直吉について、生産部門に積極的に進出し、「煙突病」と呼ばれるほど工業への直接投資を進めたのは、新しい分野を開拓したくなる「ロマン型企業者」の冒険精神が強かったと分析している。