鈴木商店こぼれ話シリーズ㊳「お家さんの家紋は日本五大家紋の一つ」をご紹介します。
2019.3.25.
鈴木商店店主・鈴木よね(お家さん)が当主でもある「鈴木家」の家紋は"片喰(酢漿草)紋"というカタバミを図案化した植物図案の紋である。
子孫繁栄の願いを込めた紋として、大衆に広く使用され、日本の家紋のうち、一般的に特に多く分布する藤、桐、鷹の羽、木瓜、片喰の5大家紋の一つでもある。
なお、上記五大家紋に蔦、茗荷、沢瀉、橘、柏の5つを加え"十大家紋"と呼ばれることもある。「片喰紋」は、十大家紋のうち2番目に多く使用されている家紋である。 なお、「片喰紋」は、形のバリエーションが多く240種類以上、5,000紋以上あると云われる。(「名字・家紋大事典」参照。制作:平凡社、販売:ユーキャン)
元来、家紋は家の独自性を示す固有の目印的な紋章として生まれ、名字(苗字)を表す紋章としての要素が強い。また、一般的に百姓・町人は名字の公称ができなかったが、家紋を用いることは規制されていなかったため、家・一族の標識として機能していった。
江戸時代には、「羽織」や「裃」など礼装・正装の衣服に家紋を入れる慣習が一般化する。明治時代になると、紋付袴の黒紋入りが一般的になったことにより、どの家にも家紋が必要となり広く普及した。
鈴木家に嫁いだお家さん・よねの実家・西田家の家紋も偶然「片喰」であったが、片喰紋のうちの「横見桔梗片喰」と呼ばれるカタバミに真横から桔梗をあしらった図案である。
勲章を付けた羽織姿の正装のお家さんの胸には"横見桔梗"の家紋が僅かに覗いて見える。