鈴木商店こぼれ話シリーズ㊳「お家さんの家紋は日本五大家紋の一つ」をご紹介します。

2019.3.25.

鈴木よねさん画像 スキャン修正160620re(2016.10.26NIC修正).jpg鈴木商店店主・鈴木よね(お家さん)が当主でもある「鈴木家」の家紋は"片喰(かたばみ)酢漿(かたば)())紋"というカタバミを図案化した植物図案の紋である。

 子孫繁栄の願いを込めた紋として、大衆に広く使用され、日本の家紋のうち、一般的に特に多く分布する(ふじ)(きり)(たか)の羽、木瓜(もっこう)片喰(かたばみ)の5大家紋の一つでもある。

 なお、上記五大家紋に(つた)茗荷(みょうが)沢瀉(おもだか)(たちばな)(かしわ)の5つを加え"十大家紋"と呼ばれることもある。「片喰紋」は、十大家紋のうち2番目に多く使用されている家紋である。 なお、「片喰紋」は、形のバリエーションが多く240種類以上、5,000紋以上あると云われる。(「名字・家紋大事典」参照。制作:平凡社、販売:ユーキャン)

 元来、家紋は家の独自性を示す固有の目印的な紋章として生まれ、名字(苗字)を表す紋章としての要素が強い。また、一般的に百姓・町人は名字の公称ができなかったが、家紋を用いることは規制されていなかったため、家・一族の標識として機能していった。

 江戸時代には、「羽織」や「(かみしも)」など礼装・正装の衣服に家紋を入れる慣習が一般化する。明治時代になると、紋付(もんつき)(はかま)の黒紋入りが一般的になったことにより、どの家にも家紋が必要となり広く普及した。

 鈴木家に嫁いだお家さん・よねの実家・西田家の家紋も偶然「片喰」であったが、片喰紋のうちの「横見桔梗片喰(よこみききょうかたばみ)」と呼ばれるカタバミに真横から桔梗をあしらった図案である。

 勲章を付けた羽織姿の正装のお家さんの胸には"横見桔梗"の家紋が僅かに覗いて見える。

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