日工株式会社が百年史を発行されました。
2020.6.14.
鈴木商店焼き打ち事件から1年後の大正8(1919)年8月13日に鈴木商店工事部の関係者により、土農工具(ショベル、スコップ、ツルハシ等)および建築用金物類の製造販売を目的とした「日本工具製作株式会社」として設立され、現在はアスファルトプラント等土木用大型プラントのトップメーカーとしてわが国のインフラ整備の最前線を支えている当記念館の協賛企業、日工株式会社は昨年(2019年)、創業100周年を迎えました。
これを記念して本年4月、同社は "NIKKO The First 100 Years" と題する「日工株式会社百年史」を発行されましたのでご紹介します。
この百年史は、同社の社史としては15年史、50年史、70年史に続くもので、100年という大きな節目を機に改めて過去を返り、創業の精神を想起することを主眼としています。
同社史はB5サイズの総ページ数300P余で「歴史編」と「資料編」からなり、カラー写真がふんだんに掲載され、大きな文字サイズで読みやすく、また歴史編の各章の冒頭には要約が付されており、各時代の同社の歩み、同社を取り巻く出来事等が一読して把握できるようになっています。
歴史編の第1章では、鈴木商店工事部の関係者による「日本工具製作株式会社」設立の経緯、同社が第一次世界大戦後の反動不況、関東大震災、昭和金融恐慌などの激動の時代を乗り越えて業容を拡大し、創立15周年を迎えたことが記されています。
なお、この章では「米騒動と鈴木商店」「鈴木商店の破綻」など当時の鈴木商店についても詳しく記されており、当記念館より提供させて頂きました神戸市東川崎町(当時)の鈴木商店本店(旧・みかどホテル)や鈴木商店の新聞広告などの画像数点も掲載されています。
第2章以降は、戦中戦後の苦難の時代を乗り越え、同社が社名を「日工株式会社」に変更する昭和43(1968)年頃には建設機械、仮設機材、ベルトコンベアの製造へと事業を拡大し、その後もアスファルト・コンクリート関連事業を拡大するなど土農工具メーカーから機械メーカーへと変貌を遂げるとともに、海外事業の展開、環境関連事業への進出など、攻めの経営により果敢に未来に向けて挑戦している姿が描かれています。
「歴史編」の目次は次のとおりです。
歴史編 日工100年の歩み
第1章 創業の時代 1919(大正8)年~1936(昭和11)年
第2章 戦時下の日工と戦後復興 1937(昭和12)年~1950(昭和25)年
第3章 事業の拡大 -建設機械や各種プラントの製造に進出 1951(昭和26)年~1960(昭和35)年
第4章 日工株式会社に社名変更、創立50周年を迎える 1961(昭和36)年~1969(昭和44)年
第5章 低成長時代 ―日工電子工業(株)設立、機械から電子装置まで一貫生産へ
1970(昭和45)年~1977(昭和52)年
第6章 機械メーカーへ脱皮、トータル管理システムによる製造工場の合理化を実現
1978(昭和53)年~1984(昭和59)年
第7章 創立70周年 -国際化への基盤づくり 1985(昭和60)年~1989(平成元)年
第8章 多角化の推進 -営業体制と技術開発の強化 1990(平成2)年~1996(平成8)年
第9章 環境事業への進出 1997(平成9)年~2002(平成14)年
第10章 グループ経営戦略の強化 2003(平成15)年~2011(平成23)年
第11章 攻めの経営で未来に挑戦 2012(平成24)年~2019(令和元)年
※冒頭の画像、百年史の表紙の下部には、同社の商標「トンボ印」の由来となった"蜻蛉"の姿が刻されています。
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