元外交官のアラブ専門家(アラビスト)・山﨑祐輔氏が「日本人とアラビア」を出版されました。

2021.5.12.

CCF20210508_00000.jpg 外交官としてイエメン、イラン、シリア、ドバイ、スーダン等に勤務し、中東諸国の事情や歴史に精通する外務省OBでアラブ専門家(アラビスト)・山﨑祐輔氏が、日本とアラブ諸国との繋がりを紐解く「日本人とアラビア」を中央公論事業出版より上梓されました。

 同書は、3章から成り、第1章は「ペドロ岐部」、第2章は「アラビアとの出会い」、第3章は「アラビアとの繋がり」と展開、その内の第3章第1節は「巡礼船」と題し、東南アジアの巡礼者のため鈴木商店が系列の「南満州汽船」所有の船舶を"巡礼船"としてジェッダへの往復航路に配船して好評を博したと記している。

 大正3(1914)年、鈴木商店は前年の大正2(1913)年に南米移民輸送のため設立した「南満州汽船」所有の船舶を"巡礼船"として運航したもの。当時、英国、オランダの海運会社が東南アジアからの巡礼船運航を独占し、劣悪な船内環境での待遇に強い不満を抱いていた同地域のモスリムからの要請に応えて運航に乗り出した。日本人の船長、船員に加え、日本人船医を配したきめ細かい対応に好感が寄せられたと云う。(詳細は、下記の関連資料をご覧ください。)

 「南満州汽船」は、鈴木商店の船舶事業の原点として、「移民船」、「巡礼船」の役割を終え、新たに設立した「帝国汽船」が事業の拡大を担うことになった。

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