帝人株式会社が100年史を発行されました。
2021.9.30.
平成30(2018)年6月17日、当記念館の特別協賛企業でもある帝人株式会社は創立100周年を迎え、同年9月29日には同社創業の地・山形県米沢市に同社関係者、地元関係者が参集し、「帝人100周年記念イベント」が盛大に開催されました。
そして本年4月30日、同社の100年史「人と化学と100年」(帝人のあゆみ 1918-2018)が発行されましたのでご紹介します。
この100年史は50年史以降に発行された同社の社史としては本格的な社史になり、A4サイズの本文ページ数353で「本編」と「資料編」で構成されています。
各時代の写真が数多く掲載され、また人物コラム、その時々の興味深いトピック等が記されたコラムが数多く設けられており、興味を惹かれます。表紙はソフトカバーで手に取りやすいボリュームになっており、口絵や各編・章のリード文により同社グループの100年を外観することができます。
読者層としては同社グループの役員・社員やOB、取引先などを想定し、「経営史」の観点から「読まれる」社史を目指して編纂されています。
第1編「化学繊維の時代 1904-1967」の序章および第1章では、鈴木商店の大番頭・金子直吉の信念と、研究者・久村清太と秦逸三の情熱が日本初のレーヨン(人絹)の生産技術を確立し、大正7(1918)年6月17日に鈴木商店傘下の東工業から米沢人造絹糸製造所とその事業を引き継ぎ、帝国人造絹糸株式会社(現・帝人)が発足したこと、その後同社は第一次世界大戦後の人絹の需要増大に伴い広島工場、岩国工場を建設し、昭和2(1927)年に鈴木商店が経営破綻するも、さらなる業容拡大を実現していった過程が記されています。
同社は「多角化の時代 1968-1990」(第2編)、「新たな価値創造の時代 1991-2018」(第3編)において幾多の存続の危機を乗り越えつつ、絶え間なく企業変革を続けてきた結果、現在は「マテリアル」「ヘルスケア」「IT」という3つの異なる事業領域を持つグローバルに展開する総合科学メーカーとして、新たな100年に向けて「たゆまぬ変革と挑戦」を続けています。
なお、「本編」の目次は次のとおりです。
第1編 化学繊維の時代 1904-1967
序 章 レーヨン国産化への挑戦 1904-1917
第1章 帝国人造絹糸の誕生 1918-1932
第2章 レーヨン事業のトップ企業へ 1933-1945
第3章 レーヨン事業の復興 1946-1953
第4章 合成繊繊維事業への転換と拡大 1954-1967
第2編 多角化の時代 1968-1990
第1章 事業多角化の推進 1968-1976
第2章 拡大路線からの転換と新事業の成長 1977-1990
第3編 新たな価値創造の時代 1991-2018
第1章 利益ある成長に向けた事業構築 1991-2000
第2章 グループ・グローバル経営の進展 2001-2007
第3章 構造改革とポートフォリオ変革 2008-2018
第4章 新たな価値の創造へ ― 「たゆまぬ変革と挑戦」2018-
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