鈴木商店ゆかりの秋田・油田跡地を訪れました。

2024.12.12.

 news240328仁賀保高原風力発電所.jpgかつて新潟と並ぶわが国有数の油田地帯だった秋田に鈴木商店ゆかりの油田跡地を訪れました。(写真は、かつて石油採油櫓が林立していた仁賀保高原に立つ風力発電風車)

 鈴木商店の石油事業の原点は、大正6(1917)年秋田での油田鉱区調査に遡ります。翌大正7(1918)年、帝国石油の経営に乗り出し、由利地区、南秋田郡等各地区に鉱区を取得し、採油事業を本格化しました。

 帝国石油は、秋田北部八森町の八森油田、山本郡長面地区の長面鉱場、南秋田郡の道川油田、由利地区の道川鉱場(油田)等々の開発を進めたほか、ペルシャ原油の輸入や原油の精製事業にも乗り出しました。(画像は、ペルシャ原油を運んで徳山海軍燃料廠に到着した帝国石油のタンカー"千珠丸"(大正11(1922)年頃))OIP千珠丸.jpg

 帝国石油の秋田での採油事業は、旭石油に引き継がれ、大正14(1925)年院内地区で試掘を開始し、昭和5(1930)年、採油に成功すると本格的な開発を開始、日本石油、大日本石油鉱業等石油各社も競って開発した結果、院内地区は最大の油田地帯に発展。大正12(1923)年以来394本の油井が掘られ、最盛期には、300本を超える櫓が林立し、年間産出量113,000キロリットルほどの規模になったが、その後産油量は減少し、平成7(1995)年、院内油田は閉山しました。

 この度、帝国石油ゆかりの由利地区道川鉱場の中野、高畑、櫻澤各鉱区跡の調査、および旭石油時代の院内油田跡見学のため両地区を訪れました。(2024.11.22~23) 院内油田跡については、地元鳥海山・飛島ジオパークガイドの会のご協力を得て調査しましたが、道川鉱場での鉱区調査は、独自での調査の結果、主力鉱区の高畑鉱区および桜澤鉱区跡地を確認する成果を得ました。

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