②日本金属彦島製錬所(現・彦島製錬)
未だに鈴木商店時代の建物が現存
大正4(1915)年、日本金属彦島工場として設立。もともとは第一次世界大戦の際に当時の帝政ロシアから内命を受け、鈴木商店が製作受注した野戦砲の材料である諸金属の製錬所として設立したものである。
設立当初から亜鉛精錬を中心に行っており、昭和3(1928)年には三井鉱山に買収される。グループ内の企業再配置に伴い、昭和61(1986)年に彦島製錬として企業設立し、現在まで彦島の重化学工業地帯の一躍を担っている。
工場敷地内には鉱滓煉瓦造りの倉庫をはじめとして、戦前期に建てられた各種施設が一部現存。また彦島製錬の社宅群は昭和期の企業社宅文化の名残を今に留めており、非常に貴重なものといえよう。