⑧神戸製鋼所長府工場(現・長府製造所)

アルミ・銅事業の中核拠点

大正6(1917)年、門司・小森江に銅管・真鍮管の専門工場(門司工場、現・神鋼メタルプロダクツ)を建設した神戸製鋼所は、昭和12(1937)年にアルミ鋳鍛造品専門工場として名古屋工場を、続いて昭和14(1939)年、アルミ&アルミ合金押出し材、銅&銅合金圧延材専門工場を長府港町に建設した。これにより神戸製鋼所は、非鉄金属メーカーとしても確固たる地位を築いた。

長府工場は、昭和24(1949)年に企業再建整備法により門司工場と共に神戸製鋼所本体から分離独立し、「神鋼金属工業(株)」となったが、昭和32(1957)年に再び神戸製鋼所に吸収合併された。

昭和63(1988)年、神戸製鋼所の組織変更により門司工場は、「神鋼メタルプロダクツ」として分社化、長府工場は「長府製造所」に名称変更され今日に至っている。現在の長府製造所は、敷地371,300㎡、工場建屋146,000㎡で、アルミ、銅の主力工場として稼働している。

なお、長府工場の土地は、元々は鈴木商店系列の「山陽電気軌道(現・サンデン交通)」が「長府土地」名義で運営していた「長府楽園地」、「長府野球場」の敷地であったが、神戸製鋼所が軍需工場を建設するに当たり、同用地を買収したもの。なお、「長府土地」は運営していた土地を神戸製鋼所へ売却した後、その目的を終え昭和14(1939)年、会社を解散した。

関連資料

  • 長府工場全景(昭和20(1945)年代)
  • 建設時の長府工場(昭和14(1939)年頃)
  • 長府工場西門(昭和20(1945)年代)

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