⑨江戸金
煎餅のルーツ・亀の甲型せんべいの伝統を伝える老舗「江戸金」
江戸金創業者の金次郎と鈴木商店創業者の鈴木岩治郎は、ともに天保12(1841)年生まれで、菓子職人を目指した二人は、二十代の初めに弥次喜多道中の如く二人旅で江戸から長崎へ菓子職人修業に出、やがて長崎からの帰途、二人は金次郎の長州藩の兄が居る下関に立ち寄り、そこで鰻屋(兼菓子屋?)の「桝初」を営む増田初蔵のもとに職人として入ります。
金次郎は、見込まれて増田家の養子となり、やがて新商品の煎餅を売り出して「江戸金」を創業、一方の岩治郎は、下関から江戸への帰路立ち寄った神戸の辰巳屋で働く縁からカネ辰「鈴木商店」を興すことになります。岩治郎ゆかりの下関から神戸に舞台を移して創業した砂糖商・鈴木商店は、店主岩治郎が早逝したため、未亡人よねと番頭金子直吉により飛躍の第一歩を踏み出したのです。