①ニューヨーク

ロンドンと並ぶ世界経済の中心地・ニューヨークから北米市場進出を図る

　ニューヨーク市は、ニューヨーク州の都市で、1790年以来、アメリカ最大の都市となり、今日世界の商業、ビジネスの一大中心地でもある。ブロンクス、ブルックリン、マンハッタン、クイーンズ、スタテンアイランドの5つの行政区に分けられる。

鈴木商店ニューヨーク支店は、 ブロードウェイのアンストリート(Ann Street)との交差点の南東角にあったセント・ポールビル（220ブロードウェイ）とマディソンアベニューの繊維部分室の二か所に分かれていた。

　セント・ポールビルは、西にブロードウェイを横切って位置するセントポール礼拝堂にちなんで命名され、1898年に完成した26階建ての高層ビルは、完成時にはニューヨークで最も高い高層ビルの一つだったが、区画整理のため1958年に取り壊された。

　大正期のニューヨーク支店では、鉄材、機械類、キューバ糖の日本向け輸出、樟脳、薄荷、缶詰の米国への輸入のほか、Kライン代理店業務を行い、分室では、生糸、羽二重など繊維品の米国への輸入を手掛けていた。(鈴木破綻時、支店長は寺崎栄一郎、繊維分室は、林大作分室長が勤めていた。)