④ポートランド

画期的な小麦の輸送方式を考案して他社を圧倒

 オレゴン州北西部のマルトノマ郡にあり、自然に溢れコンパクトな都市で、全米で住みたい街として注目されている。小麦の出荷量で全米第1位を誇り。ポートランド港は、世界第2位の小麦の取引港でもある。

 近年、コンピューター関連企業「インテル」やハイテク企業が多く進出しているほか、アディダス、ナイキ等世界的な企業が本社を置いている。(*ナイキは、ポートランド都市圏・ビーバートンに本社を構えている。)

 鈴木商店ポートランド出張所:Board of Trade Building (貿易委員会ビル) 310 Southwest 4th. Avenue,300 Portland,OR

  貿易委員会ビルは、ポートランドのダウンタウン地区にあるオフィスビル、1909年完成。

 落合豊一は大正9(1920)年春、24歳のときにシアトル出張所長となるや、小麦・木材など重要物資の集散のさらに大きなオレゴン州最大の都市・ポートランドに出張所を移設。商売に勝つためには他社と同じやり方ではダメと、神戸高商時代からの憧れであった小麦の取引ではそれまでの輸送方式の常識であった袋積方式からバラ積み方式を発案してこの方式に切り換えた。

 最初のバラ積み小麦2,000トンがポートランドより横浜港向けに積み出された。やがて日本向け以外、上海向け、さらにインド方面からイギリスを中心とするヨーロッパ向けに小麦取引を伸ばし、小麦取引に関して"世界のビッグフォー"と呼ばれるほどになった。

 落合は、小麦に次ぐ第二の世界的名産・米材に着目し、"オレゴン松"(オレゴンパイン;米松)の取引に傾注してオレゴン州の太平洋に面した南西部の港"クーズベイ"を日本向け米材輸出の主要港とすることに成功した。(郷土立志伝 落合豊一の巻「天職に生きる」(25))

 

関連資料

  • ポートランド市街よりフッド山(3,429m)を望む
  • ボード・オブ・トレードビル
  • ポートランド地図(貿易委員会ビル)

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