①宜蘭殖産
製糖事業から不動産事業まで多角化を展開
明治45(1912)年、鈴木商店は地元資本家が経営する「宜蘭製糖公司」を買収したことから、宜蘭地区での製糖事業への足掛かりを得て、大正4(1915)年「宜蘭殖産」を設立。(台北州羅東街羅東98;現在の宜蘭県羅東鎮)
宜蘭殖産の製糖事業拡大を図ってその製糖部門を先発の「台南製糖」と合併させ、鈴木は同製糖の経営に参画。
さらに大正8(1919)年には、新竹庁下に「大正製糖」を設立するも、同年には「東洋製糖」と合併させ、台南製糖と同様、鈴木の影響力の強化を図った。
宜蘭殖産は、製糖事業への直接関与から離れ、電燈、軽便鉄道、製氷、柑橘園経営、不動産等の事業に転換した。軽便鉄道については、工業製品や木材(檜材)の搬出のための2ルート、約5kmからスタートし、昭和13(1938)年当時には、5ルート、11kmの営業運転を行っていた。
創業時の経営陣は、社長に波江野吉太郎が、取締役には川合善雄、辻湊、園田太郎が就任。