徳山(山口県・周南市)

旧海軍燃料廠に由来し、石油化学コンビナートとして発展した周南市(旧徳山市)

徳山市は、山口県東部の中心に位置した市。2003年、新南陽市、熊毛町、鹿野町と合併し、周南市となった。

旧徳山市は、昭和10(1935)年、市制施行により発足したが、中心市街地周辺は旧日本海軍燃料廠に由来し、徳山曹達(現・トクヤマ)を中心とした重化学工業で第二次世界大戦前から栄えた。

今日、石油精製、石油化学など多種多様な化学製品を生み出す複合コンビナート(周南コンビナート)として発展している。 旧海軍燃料廠跡地払下げを受けた出光興産は、昭和32(1957)年同社初の製油所を操業、後に隣接地に石油化学工場を建設し周南コンビナート各社へエチレン供給をスタートした。

ロシアからの砲弾受注を契機に非鉄金属製錬事業に本格的に乗り出した鈴木商店は、大正5(1916)年4月、旧徳山市に直営の鈴木亜鉛製錬所を完成、同年6月日本金属・徳山製錬所として操業を本格化した。

然しながら、原料の調達難のため大正9(1920)年、徳山製錬所の操業を停止し、亜鉛製錬事業は、彦島製錬所に集約された。徳山製錬所の施設は、大正11(1922)年鈴木系の帝国石油に移譲され帝国石油・徳山工場(製油所)として再開されたが、同年帝国石油と旭石油の合併により、旭石油・徳山工場として再スタートした。

その後、旭石油の経営再建のため、昭和4(1929)年徳山工場は、満鉄(南満州鉄道)に売却、同年満鉄は100%出資の「日本精蝋」を設立し、徳山工場は、日本精蝋・徳山工場として石油系ワックス専門メーカーとしての歩みを開始し今日に至っている。

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