伊勢・鳥羽

九鬼水軍の居城・鳥羽城の城下町は真珠養殖発祥の町として世界に知れわたる

神社の最高峰・伊勢神宮のある伊勢ならびに養殖真珠で知られる鳥羽エリアは、志摩地区を含む伊勢志摩国立公園に位置しており、風光明媚な景色により我が国有数の観光リゾートスポットである。古くは伊勢神宮に供物を調進する地として開かれた鳥羽の地に、本格的な産業が誕生したのは鈴木商店による「鳥羽造船所」であった。

鳥羽市は、三重県中東部の志摩半島の東側の遠州灘に面する位置にあって市域全体が「伊勢志摩国立公園」に指定されている。志摩半島側の鳥羽・南鳥羽エリアの他4つの離島、6つの無人島から成り、人口は21,000人ほど(2010年)。昭和29(1954)年11月、志摩郡鳥羽町を中心に1町7村が合併して鳥羽市が誕生した。

鳥羽湾周辺には、「鳥羽城跡」、「鳥羽水族館」、「イルカ島海洋遊園地」、「ミキモト真珠島」、「鳥羽みなとまち文学館」、「鳥羽オルゴールタウン」等々観光スポットが多数存在する。

鳥羽は、戦国時代、織田信長、豊臣秀吉の下で水軍を率い、“海賊大名”と呼ばれた九鬼嘉隆が文禄3(1594)年に築城した鳥羽城の城下町として栄えた。江戸時代には、鳥羽藩の藩庁が置かれ、城主は目まぐるしく変わった。安政大地震(1854年)により天守ほかが倒壊し、修理されないまま明治4(1871)年、廃城となった。

明治維新後、旧鳥羽藩士らにより鳥羽城二の丸の海岸に造営され、その後安田善次郎の経営に移った鳥羽造船所は、折からの造船不況の波を受け廃業寸前に追い込まれ、真珠王・御木本幸吉など地元民の懇請を受けた金子直吉の決断により鈴木商店は、大正5(1916)年鳥羽造船所を買収し、再建に乗り出した。翌大正6(1917)年同造船所に電機事業を興したが、これが現在のシンフォニアテクノロジー(株)(旧・神鋼電機(株))の原点とされている。



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わが街――鈴木商店とその時代

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