台湾(台北市)

国際金融センターとして発展する“台北都市圏”の中核

「台北」は、台湾の首都、直轄市で、人口261万人。台北市、新北市、基隆市を含む“台北都市圏”の中核都市。日本統治時代の建築や清朝時代の遺構が多く残っている。

原住民ケタガラン族の住む地であったが、漢民族の移入が本格化した清朝末期、台南に遅れて徐々に都市化が進み、「台北は清国人の都市」と呼ばれた。

日本統治時代には、台北に総督府を置いたことから本格的な発展が進み、近代的な都市に成長した。政治、経済、文化のみならず軍事の中心地として栄えた。

今日、台北都市圏の人口は700万人を超え、香港と同程度の都市圏となり台湾の金融、通信、メディアの中心地であり、国際金融センターとしても評価が高い。

明治32(1899)年、台湾総督府より樟脳油の専売権を得て発展の礎を築いた鈴木商店だが、当初は鈴木自身の看板を出すことはなかった。営業所を設けて台北に本格的に進出するのは、大正期に入ってからのことであった。

台北と鈴木商店

鈴木商店が台北に進出したのは領台直後の明治28(1895)年8月のことであった。しかし名義はあくまでも「小松組」であって、台北に鈴木商店の看板が出ることはなかった。明治32(1899)年には鈴木商店として台湾総督府より樟脳油の販売権を認められたが、その手続きは、後藤組(神戸・後藤廻漕店の台湾での事業所)の川合良男に一切を委ねていた。その後台湾での事業も活発になり、台北に拠点を必要とするようになって、大正2(1913)年ようやく出張所が設けられ、やがて支店となって、台湾での事業の全権が集中するようになる。

台北に設立した事業所としては台湾炭業、台湾鉄工所があるほか、大株主として影響力をもったものとして台湾土地建物、台湾瓦斯などがある。また財閥系商社と合同で設立した台湾精製樟脳もあった。鈴木商店台北支店は北門街七丁目にあり、台湾銀行本店とも近かった。

関連資料

  • 台湾総督府(現・中華民国総統府)
  • 台湾総督府専売局(現・台湾菸酒股份有限公司)
  • 北投温泉(台北北部)での懇親会

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